2023年4月に学部と同時に開設された、社会科学とデータサイエンスの融合領域を掲げる研究科。2年間で「社会科学の高度な知識」と「データサイエンスの高度な知識」を両方身につけ、修士論文としてひとつの研究にまとめ上げる課程です。2025年4月に博士後期課程が置かれたのに伴い、従来の「修士課程」は「博士前期課程」に改められました。
研究科が公表しているディプロマ・ポリシーは、次の4つの能力を修得することを学位授与の条件としています。授業も演習も、この4つに対応するよう配置されています。
経営学・経済学・法学・政治学などの最先端の知識を、自分の研究テーマに関連づけて修得する
統計学・機械学習を中心に、ビッグデータに対応した分析手法を全学生が共通して修得する
両者を融合させ、「ビジネスの理解・分析・革新」と「社会課題の理解・分析・解決」を実行する
融合した学術領域に貢献する研究能力。演習の履修と修士論文の審査・最終試験の合格で判定される
出典:大学院ディプロマ・ポリシー(PDF)/大学ポートレート
科目区分は大学ポートレートとカリキュラム・ポリシーに掲げられた6区分。各科目の中身と担当教員は「授業・カリキュラム」タブへ。
科目名・単位数は文部科学省提出の設置届出書(基本計画書・設置計画履行状況報告書)に基づく。各科目の開講学期は資料上の記号表記が判読しきれず、本ページでは断定していません。
内訳は演習8+研究指導4+基礎科目4+データサイエンス科目4+(発展科目・リサーチワークショップ)10単位以上。発展科目はビジネス系から2単位以上、社会課題系から2単位以上が必要です。
必修は「ソーシャル・データサイエンス特論」「データサイエンスのELSI」、そして1・2年次の演習と研究指導。データサイエンス科目4科目のうち2科目が選択必修です。
主査1名・副査2名の3名体制で、論文審査と口述試験の両方を実施。新規性・独創性、先行研究の調査、研究倫理、論旨の明快さの4点で評価されます。
出典:2026年度 新入生ガイダンス資料「SDS研究科での学びについて」(PDF)/修士学位論文の評価基準(PDF)
2025年(22件)・2024年(15件)の修士論文題目が公式サイトで全件公開されています。金融・不動産・労働などの社会科学テーマと、自然言語処理・機械学習の方法論テーマが同じリストに並ぶのがこの研究科の特徴です。
2028年4月入学・2030年3月修了の場合の見取り図。一橋大学は春・夏・秋・冬の4学期(クォーター)制で、2クォーターにまたがる科目を「春夏科目」「秋冬科目」と呼びます。具体的な日付は毎年の学年暦と研究科からの案内で決まります。
研究指導のスケジュールは設置届出書「資料5-5 研究指導プロセス」に基づく計画。現行年度の正確な提出締切・発表会日程は学生便覧および学務情報システムCELSで案内されます。
春・夏・秋・冬の4クォーター制。1クォーターだけで完結する科目のほか、2クォーターにまたがる「春夏科目」「秋冬科目」、1年を通す「通年科目」があります。演習・研究指導は各学期に単位が付く形です。
期間は2026年度大学院学年暦(春4/9〜6/1、夏6/2〜7/22、秋9/14〜11/5、冬11/6〜1/5)から。2028年度の日付は当該年度の学年暦で確認してください。
設置届出書では、入学前の2〜3月に「ソーシャル・データサイエンス・ブートキャンプ」を置き、統計学(確率分布・推定・検定・回帰・ベイズ推定)、情報・AI(プログラミング基礎、データ処理、機械学習理論)、社会科学(経済学・経営学・法学・政治学の基礎)の3領域を扱うと説明されています。
新入生ガイダンスは4月上旬(参加必須)。履修登録は4月上旬〜中旬に学務情報システムCELSで行います(2026年度は4/8〜4/15)。
2026年9月時点で2028年度(2028年4月入学)の募集要項は未公表です。以下は直近2回の実績日程からの見込みで、確定日程ではありません。必ず2027年に公表される「2028年度 学生募集要項」で確認してください。
| 段階 | 2026年度入学(実績) | 2027年度入学(実績) | 2028年度入学(見込み) |
|---|---|---|---|
| 出願期間 | 2025/7/28 → 8/4 | 2026/7/27 → 8/3 | 2027年7月下旬 → 8月上旬 |
| 一次選考(書類審査)結果発表 | 2025/8/18 | 2026/8/17 | 2027年8月中旬 |
| 二次選考(筆記試験) | 2025/8/21(木) | 2026/8/20(木) | 2027年8月下旬の木曜 |
| 二次選考結果発表 | 2025/9/2 | 2026/9/1 | 2027年8月末〜9月初旬 |
| 三次選考(口述試験) | 2025/9/5(金) | 2026/9/4(金) | 2027年9月上旬の金曜 |
| 最終合格発表 | 2025/9/9 | 2026/9/11 | 2027年9月上旬〜中旬 |
| 入学手続 | 2025/9/16 → 9/24 | 2026/9/18 → 9/30 | 2027年9月中旬〜下旬 |
一次=研究計画書等の書類審査。二次=筆記試験で「統計学・情報学」(120分、4問中2問選択)と「社会科学」(60分、4分野各1問から1問選択)。三次=口述試験(留学生特別選考は英語または日本語)。一次選考ではTOEFL iBTまたはIELTS(Academic)のスコア提出が必須です(英語を母語とする者等を除く)。
過去問題と「出題の意図」が公式サイトで公開されています。博士前期課程 入試情報
一般選考/内部選考(一橋大学SDS学部生等。筆記試験等免除制度の申請枠あり)/社会人特別選考(出願時点で在職中であることが要件)/留学生特別選考。募集人員は2026年度入学が21名、2027年度入学は「36名予定(各入試区分の合計)」と記載されています。
大学院入試の志願者数・合格者数・倍率は、研究科・大学とも公表していません。試験会場は国立キャンパスです。
博士前期課程の開講科目23科目を、文部科学省提出の設置届出書(基本計画書・設置計画履行状況報告書)と公式サイトの説明から収録しました。担当教員は各教員の公式プロフィールの「担当科目」欄に基づきます。カードをクリックすると詳しい内容が開きます。
| 科目区分 | 必要単位 | 履修年次 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 演習 | 8単位(必修) | 1・2年次 | 各学期2単位 |
| 研究指導 | 4単位(必修) | 1・2年次 | 各学期1単位 |
| ソーシャル・データサイエンス基礎科目 | 4単位(必修) | 1年次 | 2科目×2単位 |
| データサイエンス科目 | 4単位(選択必修) | 1年次 | 4科目から2科目を選択 |
| SDS発展科目 + リサーチ・ワークショップ | 計10単位以上 | 1・2年次 | ビジネス・イノベーション分析から2単位以上、社会課題解決から2単位以上 |
| 合計 | 30単位以上 | — | 演習8単位以上を含む。加えて必要な研究指導を受け、学位論文の審査および最終試験に合格すること |
出典:2026年度 新入生ガイダンス資料(PDF)。修了要件の原文は「2年以上在学し、30単位以上(演習8単位以上を含む。)、かつ科目区分ごとの修了要件単位数を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、学位論文の審査及び最終試験に合格すること」。
公式「教員紹介」に掲載されている全21名(教授7・准教授13・特任教授1)を、各教員ページの記載から収録。関心のあるテーマを入力すると、関連度の高い順に並びます。統計・機械学習の研究者と、経済・経営・法・政治の研究者が同じ研究科に並んでいるのがこの研究科の特徴です。
「専門分野」「研究キーワード」「研究内容」「担当科目」は、いずれも公式教員紹介ページの各教員ページの記載です。各ページに学歴・経歴欄は設けられていないため、本ページにも経歴は載せていません。
21名全員が研究科の所属です。ただし公式ページの「担当科目」欄に大学院科目の記載があるのは13名で、残りは学部科目のみが記載されています。これは指導可否を示すものではないため、関心のある教員には出願前に直接問い合わせるのが確実です。
一橋大学研究者情報(HRI)と各教員のresearchmap・研究室サイトで論文と研究費を確認できます。多くの教員は研究内容紹介の動画も公開しています。
研究科公式「養成する人材像」ページと、大学ポートレートの「進路」データから転記しました。人数は原資料のとおりです。研究科は2023年4月開設で、2025年3月に第1期生が修了したばかり。公開されている進路実績は、大学ポートレートが「2025年度」として集計するこの第1期生15名の分だけです。個別の就職先企業名・就職率・年収の公式数値は公表されていません。
公式ページは、博士前期課程が養成するのは「ソーシャル・データサイエンスのスペシャリスト」であるとし、進路を2類型に整理しています。
「社会科学とデータサイエンスの高度な知識をもってコンサルティング企業、金融機関、製造業、卸小売業、情報通信業・運輸業など幅広い業種において経営に携わることができる人材」
「社会科学とデータサイエンスの知識を融合した研究テーマを見出し、国内外の大学院博士課程に進学することで、将来的に大学や公的・民間研究機関にて研究に従事する人材」
「データアナリスト」「リスク・マネージャー」「プロダクト・マネージャー」は公式ページに具体的職種として明記されているもの。出典:養成する人材像
「その他の専門・技術サービス業」にはコンサルティング・シンクタンク・調査研究機関等が含まれる分類です。進学者2名の進学先内訳は原資料に記載がありません。
出典:大学ポートレート「進路|ソーシャル・データサイエンス研究科(博士課程(前期))」(2025年5月1日現在)
収容定員42名に対して2025年度の在学者は47名。内訳は1年次20名(男18・女2)、2年次27名(男25・女2)で、男性91.5%・女性8.5%、外国人学生比率0.0%。社会人学生数は公表されていません。
公式FAQは、社会科学系・理学系・工学系・情報系のいずれの出身者も受け入れると明記しています。実際に在学生インタビューでは、法学系(ロースクール経由)と医療系学部の出身者が紹介されています。
出願時点で在職中の人を対象とする社会人特別選考があり、中央省庁に勤務しながら在学している例が公式サイトで紹介されています。就労を続ける学生には長期履修制度(最長4年)が用意されています。
省庁に勤務しながら在学する社会人学生。省庁のデジタル化の必要性を実感し、「社会科学とデータを掛け合わせた学問」を学ぶために進学。入試対策では文系出身者にとって統計学・情報学が最大の課題だったと語る。
研究テーマは「コロナ禍における医療従事者の労働生産性、病院経営」。個々の病院ではなく「地域全体として医療アクセスを考える視点」を重視している。研究計画書の作成時には指導希望の教員に相談することが重要だとアドバイス。
出典:SDS研究科 修士へのインタビュー(公式サイト「活動」)。公式サイトに修了生インタビューと修了生の具体的な就職先企業名の掲載は確認できませんでした。
在学中にかかるお金、使える支援制度、学びの環境、企業・公的機関との接点をまとめました。金額は2027年度募集要項および一橋大学公式ページに記載された標準額で、改定される可能性があります。
一橋大学の大学院授業料は、経営管理研究科(642,960円)を除いて年額535,800円。SDS研究科はこの535,800円の区分です。納付は口座振替で、2026年度は前期分5月下旬・後期分10月下旬。出典:授業料について(一橋大学)/2027年度 SDS研究科 募集要項。
大学院学生で「経済的理由により納付困難かつ学業優秀な者」等が対象。申請は前期4月上旬・後期9月中旬〜下旬、結果は前期7月下旬・後期12月下旬に通知。
大学院は学部より対象が広く、災害等の事由に加えて「経済的理由により納付が困難かつ学業優秀な者」も対象。免除と徴収猶予は併願できません。
納入期限を約4か月延長する延納、半期分を月割りにする分納。入学料についても納入期限を延長する徴収猶予があります。
修士課程の貸与月額は50,000円または88,000円。特に優れた業績による返還免除(全部または一部)と、進学時の返還免除内定制度があります。
50,000/80,000/100,000/130,000/150,000円から選択。
学部生向けの「学業優秀学生奨学金制度」は大学院生が対象外です。研究科独自の給付奨学金・研究助成、およびTA/RA制度の募集要項は公開ページで確認できませんでした(進学後に研究科事務室へ照会してください)。
募集要項の原文は「職業を有する学生、出産、育児、介護等の事情を有する学生、身体等に障害がある等の事情を有する学生又は必要性が認められる学生については、標準修業年限を超えて(最長4年)授業科目を履修することが可能」。学則第45条の2でも修士課程は4年以内と規定されています。
出願時点で在職中であることが出願資格。選考は一般選考と同じ三段階(書類審査→筆記試験→口述試験)で、研究計画書の様式が社会人用に別に用意されています。
公式FAQは、出願前に教員へ研究関心や研究テーマの実施可能性を相談してよいと案内しています。相談は選考に影響せず、出願書類の添削指導は行われません。
夜間開講・土曜開講についての記載は、募集要項・公式サイトのいずれにも見当たりませんでした。時間割の詳細はCELS(学内限定)で配布されます。
東京都国立市中2-1(〒186-8601)。JR中央線 国立駅南口から徒歩約10分、JR南武線 谷保駅北口から徒歩約20分。千代田キャンパス(学術総合センター)は経営管理研究科・法学研究科が使用する拠点で、SDS研究科の開講場所としての記載はありません。
情報教育棟にパソコン約40台、附属図書館にパソコン約50台。学生寮は中和寮(大学院生のみ入居、定員147人、寮費5,900円)、景明館、一橋寮などがあります。
2023年秋、東本館内にSDS学部・研究科の交流拠点が開設されました。1階はコモンスペース(カフェコーナー、スクリーン、プロジェクター、可動式テーブル)、2階は研究スペース・ラウンジで、センサー、モーションキャプチャ装置、バーチャルリアリティ機器、ロボットが置かれています。
2025年4月設置。入学定員7名・収容定員21名・標準修業年限3年、修了要件16単位以上。「SDS共同プロジェクト演習」で1年を通じて民間企業・公的セクターとの共同プロジェクトに参画します。指導は主指導教員1名+副指導教員2名(社会科学・データサイエンス各1名)。
スーパーコンピュータ・GPUクラスタ等の高性能計算環境や、研究科専用のデータ基盤・統計ミクロデータ利用環境についての公式記載は確認できませんでした。
「社会科学とデータサイエンスの融合により、産学官が協働して社会課題の解決と新たな価値創造を目指す」法人会員制の組織。基本理念は「データで社会を読み解き、未来を共に描く」。月例研究会、評議会、大学の知見と現場の課題のマッチング、データ活用の個別相談、先進企業・地域の視察などを行います。年会費は1法人1フォーラムあたり80万円(税別)。参加企業・機関の具体名は公開されていません。
公表されている共同研究・受託事業(研究科「研究プロジェクト」ページ掲載分)
これらは教員の研究プロジェクトであり、博士前期課程の学生がどの程度関与できるかを示す公式記載は確認できませんでした。学生が共同プロジェクトに参画する仕組みが明記されているのは博士後期課程の「SDS共同プロジェクト演習」です。
公開されている一次情報のみから作成した非公式のまとめです。数値・日程・制度は毎年度変わるため、出願・入学前に必ず公式ページで最新情報を確認してください。作成時点は2026年9月13日です。